帰りたくないけど帰りたい。来れてよかった愛媛県。

明日みかんの収穫をしたら、松山に戻り、年明けにはなんと実家に戻ってしまう。

愛媛でブータン留学できたことが何よりも宝物

この3ヶ月、あちこち移動し続け、色んな人に出会いその考え方に触れたけれども、何よりもブータン人のみんなと一緒に生活できたことが楽しかった。
本当に楽しかった。
もっと彼らと時間を過ごすことを優先すればよかったと、後悔するくらい楽しかった。

この楽しさはどこから来るんだろう。
暖房もストーブもない木造の家のキッチンで顔を洗いながら、
2日か3日に一回のシャワーを浴びながら、*1
なんでこんなに寒くて辛い不便な生活をわざわざしなきゃいけないんだろうって何度も思ったはずなのに。この生活とさよならと思うと寂しい。

ブータンガール、初めて温泉へ。

今日は地元の人に温泉に連れて行ってもらった。
一緒に住むブータンガールは一度温泉に連れて行ってもらったことがあるものの、当時は温泉に入ることを拒否したらしい。
そもそも裸になるってことにめちゃくちゃ抵抗があるらしい。

温泉を知らないなんてもったいないよ!と私がゴリ押しし、
「ルナさんと一緒なら(他にあまり人がいないなら)いいよ」と承諾!

実際温泉を体験している彼女の様子をみていると、すごく面白かった。

まず、体を隠すタオルはバスタオルを。
バスタオルなんて浴室で使う人誰もないから、逆にみんなの気をひいちゃうよ!なんて伝えたけど、お尻見せることも恥ずかしいらしい。

次に、私に警告。
「ルナさん、絶対見ないで、あとタオル!」
私が彼女に向かって喋る時も風呂に浸かる前は見ちゃダメ。そして、私も浸からない時はタオルで前を隠せとのこと。

自分にとって当たり前の事、どうでもいいと思っていたことが、他人にとってこんなふうに映るなんて。あまりにおかしくて大爆笑してしまったんだけど、彼女は真剣だったので笑ってしまったことはちゃんと謝って反省した。
それにしても新鮮な体験だった。そして、自分の大好きな温泉とサウナの醍醐味を彼女と一緒に味わえたことが何よりも嬉しかった。

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人生初のシェアハウスのお相手 ネパールガールとブータンガール

帰りたくないけれど、この生活は自分にはきっとできない。

楽しかった楽しかったとベラベラ感傷に浸りながら綴っているけれど、この生活を楽しむことができたのは自分がいくつも特権を持っていたからだと思う。
もし、本当にブータン人のみんなと同じように働き、同じようにお金をため、衣食住をまなかなえなんて言われたら、きっとヒィヒィ言ってすぐに東京に帰っていた。
もちろん、彼らは異国の日本で外国人として働いてるわけで、どうしたって「同じ」にはなれないのだけれど。

みんなは毎日8時間働き、お休みは雨の日だけ。私は学生だから、土日月だけ8時間、水金は午前中だけ働き、毎週火木はお休み。

私は日本人で、来年また働きに来るのかもわからないから、「〜して欲しい!」となんでも要望を伝えることができた。洗濯機用意してくださ〜い、電子レンジが欲しいで〜す、温泉に連れてってくださ〜い、蚊取り線香くださ〜い、などなど。

「学生の本分は勉強」という理由で、公民館のWi-Fiを使わせてもらうことができた。みんなは恋人とビデオ通話するための通信料を自分で払っているのに。

ルナは一時的にここに滞在するだけだから、調理器具なんて買わなくていい、ご飯は一緒に食べたらいいとブータンのみんなは言ってくれた。

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いっつも美味しいご飯を作ってくれて本当にありがとう

こんなにたくさんの特権を与えてもらっていて、楽しくないはずがない。地元の人も、ブータン人も、みんな私が快適に暮らせるようにと色んなことをしてくれたのだから。

2021年は自分が人に与える年にしたい。

先日、21歳になった。やはり誕生日は節目で、私にとって新年の抱負とほぼ同義。
去年、ハタチになったときは「たくさん失敗する」が目標だった。なんでだか忘れたけど。

今年はなんだか偉そうなことを言っているけれど、まずは自分が人に与えたい。
それは愛媛に来てから、色んな人に与えてもらい、助けてもらったから。

自分の利益よりも、他人の利益に最初に目を向けられるように、
独り占めするのではなく、シェアすることで喜びをもっと感じられるように、
誰かと分け合うことの楽しさをもっと知れる1年にしたい。


そんなことを瀬戸内海をバックにみかんを狩りながら思うのでした。
みかんの収穫、時給は低いけど意外と自分に合った仕事だったな。

良いお年を。

*1:汚いと思われるのは百も承知ですが、女子の家の風呂はシャワーが使えないのと、男子の家のシャワーも寒くて体を洗うことが億劫になっていました、、、